奥山清行氏のデザイン

昨日なんとなしにテレビつけたら「カンブリア宮殿」やっててカーデザインで有名な奥山さんが出ていた。
僕はこの方全く知らなかったのだけど、すぐさまテレビに釘付けになった。

なんだこの人は??
視点・視座・視野がぶっとんでる。

ただのデザイナではない、ということは30秒で分かった。

曰く、日本の中小企業はコルセットをはめられていると。
コルセットというのは腰を悪くなったときに使う。こういうの↓
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コルセットを着けると腰が楽になるのだが、ずっとつけてはいけない。腰が良くなってきたら、ちょっとずつ外す。なぜかというと、ずっとつけていると腰の筋肉が収縮してしまい、コルセットなしでは生活できなくなってしまうからだ。
日本の中小企業は「補助金」というコルセットがはめられている。コルセットに慣れてしまい、補助金なしでは企業として成り立たなくなったのが今の姿である。企業努力が収縮し、自立できていない。


確かに、農業行政とか特にそうだ。
そして奥山氏は続ける。

本当の補助金(コルセット)の使い方は、技術を育てたり、設備をそろえるなど、投資に振り向けるべきだ。そうして筋肉をつけつつ、だんだんとコルセットをはずしていく。企業自身の力をつけることが本当に必要なんだ。


こんなことを言うデザイナを僕は知らない。
この人にとって「デザイン」とはただ造形を考えることだけではなく、社会構造や企業構造、果ては思想にいたるまで、あらゆることが「デザイン」に当てはまるんじゃないか。


彼は、自身のことをナマズにたとえる。

水槽の中にナマズを入れると、ダラダラしていた魚がびっくりして機敏に泳ぎ出し、寿命も伸びる。自分はナマズみたいなものなんだ。客観的な視点を組織に注入し、本来持っていた力を引き出す。


彼は、山形の中小企業を再生させるプロジェクトにも関わり、着々と成果を出している。
彼の「デザイン」する姿勢に深く感銘。プロフェッショナル魂を感じた。